エビの向こうに何かを見よう!―――モノでつながる私たちの生活と世界
みなさんはエビが好きですか?日本に暮らす私たちはひとり当たり年間2キログラム以上のエビを食べています。わたしたちが食べるエビの大半は、海外産です。海外産とはどこ産なのでしょうか?どこのだれがどのようにわたしたちの食べるエビをつくっているのでしょうか?
国際理解分野では、日本(例えば買う、食べる)と世界各地(例えば生産する、加工する、売る)で展開する社会的・文化的現象がどのように関連しているのかを、エビをテーマとするフィールドワークを通じて理解します。政府や大企業による国際関係ではなく、身近なモノとしてエビを消費するわたしたちとエビをつくる海外の人びととの「ささやかな」関係(=民際関係)から、現在の世界の仕組みを感じ取りましょう。
特定のモノをつうじて、その生産地の問題がグローバルした世界の問題であり、わたしたちの暮らしに直結した問題であることに気づくことが国際理解分野の一大目的です。そのために、歩き、見、聞くというフィールドワークを実施します。
国内での小さなフィールドワークの積み重ねにより、日本に暮らすわたしたちが主に他国・地域で生産されたモノ(エビ)を消費していることを実感し、さらにその構造を頭で理解したのちに、今度はその生産地(インドネシア)を訪問し、生産現場を見学したり、生産者の話を聞いたりするスタディツアーに出かける予定です。
◆現場を歩き、見、そこにある声を聞くというフィールドワークをつうじて、グローバル化した世界の問題に気づき、それを自分の問題としてとらえられるようになりましょう。
◆フィールドワークの基本を身に着けましょう。フィールドワークを楽しみましょう。
◆仲間といっしょに積極的にフィールドに飛び出し、自分で問題を発見しましょう。
2018年度のスケジュール
春学期
1 | ガイダンス(教員・受講生の自己紹介、演習の目標・活動内容の説明、スケジュール) | |
2 | モノ研究についての説明/国内調査の班と調査テーマ決め | |
3 | KJ法で問題関心の整理と共有 | |
4 | 質的社会調査のテキスト輪読1 | |
5 | 質的社会調査のテキスト輪読2 | |
6 | ラオスの楽器演奏/社会調査の仕方の講義 | |
7 | 合同調査:マスジド大塚を訪問 | |
8 | 各班で国内フィールドワーク1 | |
9 | 各班で国内フィールドワーク2 | |
10 | 交流会での発表のリハーサル | |
11 | 早稲田大学WAVOCとの交流会 | |
12 | 各班で国内フィールドワーク3 | |
13 | 各班で国内フィールドワーク4 | |
14 | 国内調査報告会 | |
15 | 休講(各班で夏休みの調査計画) |
秋学期
1 | 国内調査の最終報告会 | |
1日集中セミナー:英語の発表原稿準備 | ||
2 | 外部講師による講演/インドネシア研修の説明 | |
3 | 『エビと日本人』『エビと日本人II』輪読会 | |
4 | フィールドスタディの準備1(安全管理・持ち物、ワークショップ、調査、発表) | |
5 | フィールドスタディの準備2(安全管理・持ち物、ワークショップ、調査、発表) | |
6 | フィールドスタディの準備3(安全管理・持ち物、ワークショップ、調査、発表) | |
7 | フィールドスタディの準備4(安全管理・持ち物、ワークショップ、調査、発表) | |
8 | インドネシア研修出発 | |
9 | インドネシア研修中 | |
10 | インドネシア研修の振り返り | |
11 | 国内調査とインドネシア研修の報告書を執筆1 | |
12 | 国内調査とインドネシア研修の報告書を執筆2 | |
13 | 国内調査とインドネシア研修の報告書を執筆3 | |
14 | 国内調査とインドネシア研修の報告書を執筆4 | |
15 | 活動全体の振り返り | |
学生シンポジウムでの発表 |